ガリラヤ地方のナザレから本日訪れたのは、地中海に面するハイファという都市。イスラエルではテルアビブやエルサレムに次いで第3の大都市です。この街の特徴として宗教が多様だというのがあります。ユダヤ教やイスラム教だけでなく、19世紀半ばにイランで創設されたバハーイー教の総本山があったり、キリスト教系のカルメル会もここハイファのカルメル山が起源であったりしており、それ以外にも幾多もの少数派宗教・宗派が活動できる寛容なところだそうです。
わたしがナザレからのバスでハイファに着いたのは約1時間後の10時過ぎ。ここは非常に大きい都市なので効率的にまわる必要があります。
とりあえず荷物を宿に置かせてもらい、観光のメインであるバハーイー教の聖地であるバハーイー庭園の無料ガイドツアーが始まる正午までちょっと街を歩いてみました。この街にはティコティン日本美術館という日本の文化を紹介したり、日本のものを展示されていたりするところもあったのですが時間の都合で中には入りませんでした。
そして時間ギリギリになりながらも正午からのツアーに無事参加することができました。それにしても思っていた以上に参加者が多いです。ツアーは英語ですが、まったくバハーイー教の知識がない人でもわかりやすく説明してくれます。それに綺麗に整備された庭園もさることながら丘から眺めるハイファの街並みとその奥に広がる地中海の眺望だけでも参加する価値があります。ツアーは約1時間で終わり、その後少し食事をしました。
食事を終えて地中海沿いの遊歩道を歩いてみました。季節はすでに11月で日本ではもう秋もだいぶ深まっている頃だと思うのですが、ここはまだまだ温暖でもう2013年もあと50日ほどで終わってしまうとはまったく思えないくらいです。さすがに海で泳いでいる人はいませんがTシャツ一枚でも問題ないくらいの暖かさです。
そしてカルメル山の麓までやってきました。ここからはロープウェイが出ているのですが、体力的にまだまだ余力があるので歩いて登ることにしました。
カルメル山はネアンデルタール人の洞窟遺跡が発見されたという考古学的にも重要な場所でもあるのですが、旧約聖書の登場人物である預言者エリヤがこのカルメル山で異教の神バアルの預言者たちを打ち負かしたとされているそうです。預言者エリヤは新約聖書においてもモーセと並んで重要な地位をしめているようで重要視されているようですし、先に述べたようにカルメル会の聖地でもあるところです。
カルメル山の中腹にあるエリヤの洞窟はバアルの預言者たちとの勝負のあとに隠れたとされる洞窟で各宗教の信徒にとっても神聖な場所とされています。
ステラ・マリス・カルメリット修道院はエリヤのいた洞窟の上に位置するところでカルメル会発祥の地とされています。
今日はかなりいろいろな宗教施設を訪れたりしたこともあり、いろいろ感慨にふけりながらカルメル山からの景色を見ていました。地中海に沈む美しい夕日を見届けたあと充足した気持ちで山をあとにしました。結局今日一日この広い街の中で交通機関を使わずに過ごしてしまったのですが、疲れ以上に満足できましたね。
バハーイー庭園も夜になると入ることはできませんが、ライトアップされた美しい姿を見ることはできます。
とりあえずハイファは一泊の予定なので明日には移動することになります。ここからの移動はちょっと悩んだのですが、宿は最後の目的地であるテルアビブにすることにしました。
ですがその前にハイファの北に位置するアッコーに行きたいと思っています。宿で聞いたらチェックアウト後も荷物も預かってもらえるということですし。
移動がけっこう大変ですが、前情報でかなりよさ気なところなので楽しみです。